おはようございます、ぷなぱてぃです。
2023年9月、一般向けに3Dプリンター製住宅が販売開始となったニュースをご存知でしょうか。

セレンディクス社から販売開始となった3Dプリンター製住宅。価格も安さと施工時間の短さに驚かされます。
「衣食住」の「住」が今後大きく変わるかもしれない時代がすぐそこまで来ているということなのでしょう。
「serendix50」は一般住宅仕様。キッチン、バス、トイレといった水回り設備を完備した鉄骨造の50平米の1LDKで、価格は550万円の平屋。完成までにかかった施工時間は44時間30分
suumo ジャーナル 一般向け3Dプリンター住宅、水回り完備550万円で販売開始! 44時間30分で施工、シニアに大人気の理由は? 50平米1LDK・二人世帯向け「serendix50」
さて、このブログは「ジオラマづくりをもっと身近に」を記事のテーマとしています。
住宅とジオラマの関連性がなんてないのでは?という声も聞こえてきそうですが、そんなことはありえません。
特にジオラマを作られている方であれば住宅とジオラマの密接な関係を熟知されているかと思います。
ジオラマを作るうえで付きまとう大事な問題。そうです。
場所がない!
私はこの3Dプリンター製住宅によって解消する可能性があると考えました。
家の中で場所を取れないなら、別の場所を作ればいいじゃない!とまあそういうことです。
※実寸大のジオラマが作れるかもしれなかったりそれ以外の理由も多くありますが、このブログのテーマから逸脱してしまうのでここでは省略します
となると、実際に3Dプリンター製の建物を知りたいですし、住んでみたくなるわけです。
そんな3Dプリンター製の建物に泊まれる場所が日本にもあります!
セレンディクスの販売開始したそれとは違うのですが、体験としては十分かと思います。
ということで少し遅めの夏休みを利用して3Dプリンター製の住宅に泊まりに行くことにしてみました。
施設の正体
お世話になった宿泊施設がこちらのディマシオ美術館。

の中にある、ディマシオ グランピング ビレッジ です。
北海道は新千歳空港から車で2時間弱、新冠町の奥に施設はあります。
公共交通機関を乗り継いで行くこともできないこともないですが推奨はしません(経験者は語る)
どんな見た目?
公共交通で行ったばかりに少し早着してしまったのですが、しばらくして中へご案内いただきました。
ということで早速気になる建物とご対面!!

画像手前の積層痕の特徴的な建物が目的の代物です。
3Dプリンター製の建物、見切れている奥の建物、画像右側のテントの3つの建物で構成されています。
実は建物周りの塀も3Dプリンター製だったりします。
いざ中へ!
まずは荷物を置こう、ということで中に入ります。
もちろんドアはきっちり閉まりますが、換気できるようなタイプになっていて嬉しい配慮です。


そして中にはダブルサイズのベッドが1つどーんと置いてあります 笑


居住環境について
中に入るとしっかりと暖房が効いた空間が広がっていました。
3Dプリンター製の建物と言っても、コンクリート製の構造物を特殊な工法で製作したことには変わりありません。
なので温度については安定感があるのではないかと思います。
朝起きたときに喉が・・などもなく快適に過ごすことができました。
建屋の大きさについて
どうしてこのサイズ感なのかというと、理由は建築基準法にあります。
通常、新しく家を建てる場合や一定以上のリフォームをするとなると、建築確認申請が必要となります。
ところが、床面積10㎡以下であれば申請不要となるため、こちらの施設のように3Dプリンターで作るといった実験的であったり挑戦的であったりするものへの着手も可能となります。
防火地域及び準防火地域外において建築物を増築し、改築し、又は移転しようとする場合で、その増築、改築又は移転に係る部分の床面積の合計が十平方メートル以内であるときについては、適用しない
建築基準法第6条4の2
3Dプリンターの建物自体がまだまだ黎明期だということもあって、メーカーと行政のギャップが現行法ではあるという話も伺い知れました。
メーカーとしては美術館へオブジェを納品した ⇔ 行政としては宿泊施設の建物として考えたい(法律がない)
今後法整備がなされていくかとも思いますが、施工主となる暁にはメーカー行政どちらとも上手に付き合っていく必要がありそうです。
ということで(?)、私は『オブジェの中に泊まる』ことになるようです。
テントをコンクリートで作った、という見方が正しいのかもしれないですね。
なおこの記事ではわかりやすさのために3Dプリンター製の建物と記載しています。
詳しく観察してみる
せっかく現地まで来たのだから細かい部分もしっかりと見ていくことにします。
先ほどの部屋内部の画像を見るとわかる通り、縦方向のパーツ何個かに分かれていることがわかります。
これはコンクリートを射出する3Dプリンターのアーム長の問題で、一度に製作できる幅の限界が理由だそうです。


と言うのもこの建物、メーカーの意向で現地に3Dプリンターを持ち込んで作ったのだそうです。
普通の家が木材を持ち込んで組み立ててられるように、そうしてみたかったということが理由でしょうか。
美術館が閉館となる冬の時期に現地で建てる計画だったものの、コンクリートが固まらず失敗続きだったそう。
3Dプリンター向けのコンクリートは速乾するように配合してあるはずですが、それでも北の大地の寒さの前では苦戦を強いられると。結局かまくらのような囲いを作りその中を暖めながらコンクリートを射出したという話を聞き、壮絶な戦いがこの建物にはあったということがわかりました。
※屋根と塀は3Dプリンターで作ったものを持ち込んだそうです
ちなみに察しのいい方は工法からお気づきかもしれませんが、この建物は地面に直接建っているのだそう。
そう言われてみれば、現地に3Dプリンターを持ち込んで直接コンクリートを何層にも重ねてできたのですからそうなります。
施設の方は『土間』と仰っていましたが、そのような寒いイメージは抱きませんでした。
よくよく観察すると室外機と石畳の高さが一致していますよね。なるほどこれが『土間』の所以かと。

ちなみに、パーツになっているがゆえに構造物の場所を気軽に移動しやすいメリットもあるそうです。
まとめ
ということで、今回は実際に 3Dプリンター製の構造物(ここ大事) に泊まる体験をしてきました。
率直な感想として、貴重な体験ができて嬉しかったです。紅葉のいい季節だったこともよかったですね。
コンクリート打ちっぱなしの家に住んだことがないのでわからないですが比較してみたいと思いました。
ジオラマ部屋としてのポテンシャルですが、十分あるのではないでしょうか。
湿度の管理が本州に持ってきたときにどう変わるのか、少し気になるところです。
別の大事な観点として、地震への耐性についても考えておく必要があります。
建築基準法の話があったように、耐震強度を気にせず作れてしまうという側面があるということなのかと思います。
大事なジオラマが壊れないためにも、このあたりは慎重に考えてあげる必要がありそうです。
これからもしかすると一般的な工法となるかもしれない3Dプリンターでの建築。
まだまだ将来のことと思わず、一度体験するにはもってこいな施設だと思います。
訪問日が美術館の休館日だったのですが貸切で拝観でき、芸術の秋を感じたい方にもおすすめです。
おまけ
美術館の作品やグランピングでのご飯などもせっかくなので載せておきます♪
実は猫好きには堪らない施設でもあったりします。今度は暑い時期にお邪魔したいです!






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