【極小!】3DプリンターでNゲージサイズの人物模型を作った話

どうも!ぷなぱてぃです。

みなさんはNゲージを走らせるような際、車両にぎゅうぎゅうに人を詰めてみたいと思った経験はありませんでしょうか。

ぷなぱてぃ

・・・私だけですかね!?

街の模型屋さんで売られている人間の模型でこの夢を叶えようとすると簡単にお金がなくなってしまうことは、想像に難くないと思います。(相場は TOMYTEC の ザ・人間 が 12体セットで600円弱)

だからこそこの夢を叶えたい!

ということでこの実現に向けた大きな第1歩として、

無料のソフトを駆使し、3DプリンターでNゲージサイズの人物模型の作成に挑戦しました。

最低限見せることができるくらいの研究成果が得られたので、
今回はこの3DプリンターでNゲージサイズの人物模型を作っていった過程をお伝えしようと思います。

鉄道模型関係なく、建築学科の学生さんなんかにも役立つ情報かと思うので、参考にしてもらえることを願っています!

ではいきましょう!

目次

全体の流れ

ここではまず、まっさらな状態からどのようなステップを踏んで人物模型を生成したかをまとめます。

STEP
3DCGの人体を生成する

人体生成3DCGソフトである『MakeHuman』を活用し、
作りたい人物像に近い3DCGを生成します。

STEP
人物にポーズをとらせる

3DCGアニメーション作成用ソフトである『Blender』を活用し、
『MakeHuman』で生成した人物に思い描いたポーズをとらせます。

STEP
サポート材のための台を作る

3D CADソフトを活用し、ここまでで作った人物データを出力するための準備をします。
ここでは『Fusion360』を使用します。

STEP
サポート材をつける

スライサーソフトを活用し、STEP3で作成した台にサポート材を設定して出力に備えます。
ここでは『Chitubox』を使用します。

STEP
出力する

無事出力できれば完成です!

大まかな流れを理解したところで、個別のステップを詳しく見ていきましょう!

【STEP1】3DCGの人体を生成する

まずはじめに、無料人体生成3DCGソフトである『MakeHuman』を活用し、
作りたい人物像に近い人体を生成します。

そんなソフト知らない!

どうやって始めたらいいかわからない!!

そんな方には、過去の記事でソフトの導入から人体生成までの流れをまとめてあるので併せてご覧ください。


今回は説明のため、右側のポーズ枠から Run01 を選びました。

よく言えば躍動感のある、悪く言えばちょっとうるさいポーズですね。

用途は、駆け込み乗車をするオジサン、くらいなものでしょうか 笑
※駆け込み乗車は危険なのでやめましょう。


さて、この人体を生成する際、必ず設定してほしいことがあります。

それが『ボーン(骨格)』の設定です!

今回はスケルトンタブの中にある骨格データの中から、Default を選択しました。

左がなにも設定しない骨なしクラゲ人間、右が Default 設定で『ボーン』を入れた人間です。

これを設定することでこのあとの作業がグッと楽になります!

【STEP2】人物にポーズをとらせる

『MakeHuman』ではポーズを自由に変えることができません。

誰かが作ったポーズを追加することもできるので、
気にいったポーズが見つかればそのままそのポーズを採用することも選択肢に入ります。

ただ超個人的にではありますが、有用かというと少々微妙な感じです。
※あんなポーズ(!)やこんなポーズ(♡)があるので覗いてみる分には面白いと思いますよ!


では人物に自分の気の向くままのポーズを取らせるにはどうしたらよいか。

そこで登場するのが『Blender』です。

公式ロゴ

もしかしたら『MakeHuman』より知っている方も多いかと思いますが、
『Blender』は3DCGアニメーション作成用ソフトです。こちらも『MakeHuman』と同じく無料です。


『Blender』の何がすごいかというと、『MakeHuman』との連携が非常にスムーズである点です。

『Blender』の導入と『MakeHuman』との連携のさせ方については、
それだけで一つの記事にできそうな内容なのでそちらに譲ることとします。

とはいえまだ譲る先の記事がないので、ここでは私が参考にしたサイトを紹介します。
どちらも少し頑張って探す必要のある項目がありますが、基本的な流れはとても参考になりますよ!

3DCGソフト「Blender」の使い方!インストール方法から初心者向けに解説
お手軽人体モデリングツール「MakeHuman」をフル活用! アセットと「Blender」連携


そんなこんなで『Blender』のインストールを完了し、起動するとこのような画面になります。

このブロックはいらないので消してしまいましょう!


そして画面右上の「<」を押します。
これを見つけるのになかなか苦労しました 笑

すると上から4つ目のタブに『MakeHuman』が現れます。

そして [Import human] ボタンを押すと・・・

先ほど『MakeHuman』で作成した人物が取り込まれました!

CONNECTION REFUSED Cannot connect to MakeHuman App! に遭遇したら・・
[Import human] ボタンを押した際に CONNECTION REFUSED Cannot connect to MakeHuman App!
というエラーメッセージがたまに出現するようです。公式サイトで簡単な直し方が書いてあり参考になりました。
また、MakeHumanを開いていないとこのメッセージが出ることがあるようです。


人物に見た目邪魔な黒い線が載っていますが、これが『MakeHuman』で設定した『ボーン(骨格)』です。

この『ボーン』を操作することでポーズを整えていくことになります。

黒い線が見られないような場合には『MakeHuman』の設定を見直してみてください!
STEP2で示したような骨なしクラゲ人間の状態だと、黒い線は現れません。


さてここで次のステップに進みたいところではあるのですが、

あれ?さっきまでスーツ着てなかった?

そう思った方も多いかと思います。

それもそのはず、
全身水色のスーツっぽいタイツのようなものを着ているオジサンが出現したら無理もないです。

そこで画面上で Zキー を押してみましょう。

すると、4種類のシェーディングモードを選べることがわかります。
今はどうやらソリッドモードのようです。

それぞれのモードにしてみるとこんな感じ↓

ソリッドモードは線が見やすいのですが、イメージが少しつきづらいように感じたので、
今後はマテリアルプレビューモードで進めていこうと思います。少し線は見づらいですがスミマセン。。


少し寄り道をしましたが、続けてこのソフトでのメインであるポーズを動かす作業をしていきます!

ポーズを動かすには『ポーズモード』にしなければなりません。

以下の画像の通り、ポーズモードに移行してください。

  1. ボーン(黒い線)を選択し、オレンジ色になることを確認
  2. オブジェクト から ポーズモードを選択

ポーズモードの状態でボーン(黒い線)を選択すると、オレンジではなく水色に変化します!

このボーン(黒い線)を選択した状態で Rキー を押すと、

平面に対してボーンとそれに付随した体を同時に回転させることができます!

ちなみに Gキー で自由移動、Sキー で拡大縮小とできるのですが、
今回の使用目的に限って言えば Rキー ほど使いやすくはないのかなと感じました。

一応 GキーSキー によって作られた化け物を載せておきますね!
ここまで極端に失敗することはないのでしょうけど 笑


ということで、何回かRキーでの回転を駆使した結果がこちら!

どうでしょう、駆け込み乗車をするオジサンに見えますかね?
※駆け込み乗車は危険ですからおやめください(2回目)


さて、出したい人物ができたのでデータをエクスポートしていきます。

ファイル > エクスポート > と進み、出したいデータの拡張子を選択します。
.stl や .obj であれば 問題なくこの後に進めるかと思います。


ここまで駆け込み乗車をするオジサンを使って説明してきましたが、もう何種類かモデルを作っておきました。

そのうちの一つが『吊革につかまりながらスマホを嗜むオジサン』です。
※この後の3Dプリンターでの出力で唯一成功したものなのでこの後はこのオジサンで説明を進めます( ;∀;)

【STEP3】サポート材のための台を作る

この手順を飛ばしてもサポートを付ければ出力されるのではないかと思っていたのですが、そう上手くもいかなかったので今回は確実に人物模型を出力できる方法として、3DCADソフトを経由したやり方で進めます。

はじめに、STEP2でエクスポートしたSTLファイルを 3DCADソフトに取り込みます。
ソフトにはFusion360を使用しています。

するとこんな感じ。

できたボディデータを見てみると、メッシュボディとなっているようです(かつメッシュが閉じていない状態)

そこで、メッシュボディ右の ⚠ マークを選択、OKとして修復。

続けてメッシュの修正から、メッシュボディをボディへ変換します。

変換し終えるとこんな感じ。近づいて見てみると確かにボディとなっていそうでした。

ここでこのオジサンの身長を計測してみると、おおよそ 21mm という結果でした!

このあたりは『MakeHuman』で人体を生成するときに計算ミスがあったところかもしれません。
身長や体格は自由にいじることができますからね!

Nスケール(1/150)の模型界において 21mm というのは 3m15cm の超巨人です。
これでは大きすぎるので ソリッド > 修正 > 尺度 から修正をしておきます。

今回は 0.57倍 としました。これでおおよそ 180cm (実寸12mm)の成人男性です。
それでも平均よりは高いんですね。


続けて、無理矢理サポートを付ける場所として、この男性の背中に大きな壁を建立します。

あくまで今回は、確実に人物模型を出力できる方法です。できなかっただけなのですが 笑
「もっとシンプルに出せるぜ!」などアイデアがあればコメントでぜひ教えてください!

これでデータの作成が完了です!あとはお楽しみの出力を残すのみです!

【STEP4】サポート材をつける

これに関しては普段のサポート付けと同様、斜めにつけていきました。

はじめは4パターンのオジサンを一気に出力しようとしたのですが、全くうまくいきませんでした・・

壁にオジサンを打ち付ける案はやっとこさ思いついた案ではあるのですが、
電車の中ならまだ目立たないにしても、街中で壁を背負っている人なんていないですよね。。
これからよりよい出力方法がないか検討していきたいものです。

【STEP5】出力する

さあ、実際に出力してみましょう!

今回も、毎度おなじみ『ELEGOO MARS3』くんの力を借ります!

頼むぞ~!

※写真は導入時のものです

そして出力された結果がこちら!!!

できとる!!

手まで、できとる!!ついにオジサンに会えました!!

5円玉と比べるとその小ささがよくわかります。できてしまった・・
(ここだけの話、ここまでくるのに10回近くサポート材の付け方で失敗しました 笑)

横からも見てみます。
手のサポート材をつけておいてよかったみたいです。


最近購入した TOMIX の JR103-1200 系と比較してみました。懐かしの車両です。

車両と比べると少し大きいようにも感じますが、ちょうどいいかも?
「180cm の人を再現した」としては、吊革を掴む腕の角度を鑑みても少し大きかったかもしれませんね。
これについては次回作るときの反省点としたいと思います。

まとめ

最後にまとめです!

今回は 4 種類の無料ソフトを駆使して 人物模型の3Dプリントにチャレンジ しました。

使用ソフトはでてきた順に『MakeHuman』『Blender』『Fusion 360』『chitubox』でした。
それぞれのソフトの役割を理解してそれぞれにできる最大限のパフォーマンスを引き出してあげることが我々モデラーの役割なのかなと考えさせられました。

とはいえ、一つでも使うソフトは減らしたいというのも人間だれしも思うこと。
無料なのでよいですが、有料だった場合のコストやそれぞれのソフトを通すリスクも気になってしまいます。
そのあたりも今後の研究課題なのかな、と考えています。

出力結果に着目すると、なんとか壁を背負わせる形ではあるものの成功させることができました。
ちょっと無理矢理過ぎたかもしれないですね。

この件については引き続き研究をしたいと思っているので、また何か成果ができたらここで報告しようと思います。

ちなみにこの成功までに数多のレジンがゴミと化してしまいました・・
失敗は成功の母。ほんとうにそうだなと思います。散っていったレジンたちが教えてくれました。

まだまだ3Dプリンターでやってみたいことはたくさんあります。
次はどんな研究をしていこうか・・
チャレンジしてほしいものなどありましたらぜひコメントいただければと思います!

今後の記事にもご期待ください!
ではでは👋

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この記事を書いた人

高校生の時からジオラマづくりを始めて早10年。
模型界にも迫りくるデジタル化を上手に乗りこなしたいそんな私です。

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